三度の飯より魚介好き

旬と日本人の食文化を考える

【緊急悲報】 築地の移転が下ろした名店の暖簾「豊ちゃん」

知らなかった!

大ショック!!

f:id:souxouquit:20170217081322j:plain

創業100余年の洋食の名店

大正8年、洋食長豊軒として創業した豊ちゃん。カツ丼の具が別皿で出てくる「カツ煮定食」が、名物の「アタマライス」でした。L字のカウンター15人ほどのこぢんまりとした店でした。メニューは決して安くはないけれど、築地で働く男たちの胃袋を満足させていることが納得できる、流石の旨さでした。

私も、職場が勝鬨橋のすぐ傍にあった頃は、よく通いました。お袋が癌センターで手術した時も、待ち時間に親父や妹連れて来たっけ。

ネットの情報によると、5月いっぱいで閉店していたようです。ああ過去形で書くのが辛い。

kaiten-heiten.com

www.facebook.com

最後に行ったのは4ヶ月前

2月に築地に買い出しに行ったその訪問が、最後になってしまいました。

souxouquit.hatenablog.com

今から考えると、東都グリルと迷った挙句豊ちゃんにしたのは、大正解でした。

というか、その時豊ちゃんを選択しなかったらと考えると、夜も眠れません。

f:id:souxouquit:20170217081850j:plain

いただいたのは、オムハヤシライス。

いつもこれとトンカツ(と冬場はカキフライも)で迷います。

 

移転で揺れる老舗の苦悩

豊洲への移転に反対していた前の店主は、2014年8月に一旦閉店を決めました。その後経営者が変わって暖簾は引き継がれましたが、味は変わってしまいました。思えば、この時点で豊ちゃんの歴史は、既に幕を下ろしていたのかもしれません。

もちろん背景にあったのは、築地市場の豊洲への移転。2014年というのは、延期措置が取られる前の移転のタイミングです。

今回の閉店は、恐らく本当なのでしょう。築地の各店舗は基本豊洲での新店舗開店を決めていますが、豊ちゃんはその名簿に記載がないのです。

誰が悪いのか、という点は一旦棚上げするにしても、こういう文化が途絶えてしまうのは、ものすごくさびしいことです。

 

f:id:souxouquit:20130330082921j:plain

この写真は、2013年当時のオムハヤシ。

だいぶ趣が違うことがお分かりいただけると思います。

 

かすかな希望があれば生きていける!

嬉しいことに、豊ちゃんの厨房にいらした方が、高円寺で出店されているようです。

食べたいお客さんが居て、提供できる職人の腕があれば、暖簾はともあれ、文化は受け継がれるということですね。

www.pintabest.com

少しだけ胸をなでおろしました。